『いぬやしき』 1巻~3巻
イブニングで好評連載中、『いぬやしき』のレビュー
作者は『GANTZ』でおなじみの奥浩哉 (手前浩哉 通称:オルテガ ではない)
先日3巻が発売されたばかりで読みやすい。
※当然ネタバレあります
ドーンから始まる物語
主人公は1巻表紙のこのオッサン。
犬屋敷 壱郎(58)
とりあえず1巻は、このオッサンの哀愁漂う生活から始まる。
家族には見放され、息子の友達には「何が楽しくて生きてるんだ」と思われ、ついには胃ガンも通知されるツラさ。
そんなオッサンの日常を淡々と描いていくのかと思いきや、そこは奥。
何もないハズが無く、1話ラストでドドドンッ
犬の散歩で行った広場で、謎の物体の墜落事故に巻き込まれ、復元不可能に。
それに乗ってたミニミニ星人に、表面上だけ復元され、機械の身体となる。
この機械の身体ってのが優れもので、銃でもなんでも搭載してる。
電子機器の遠隔操作もお手の物。
何キロ先の声も聴こえて、空も飛べる。
何といっても”死なない”。
これは、そんな人間兵器と化したオッサンの世直し(?)ストーリー
無差別救人の犬と無差別殺人の獅子
実はその墜落事故現場にはもう一人居て、それが2巻表紙のコイツ
獅子神 皓(ししがみ ひろ)
高校生(中学生だと思って調べたら高校生らしい)。『ONE PIECE』とファンモン好きの、『GANTZ』嫌い。
決してクロノではない。
人間兵器と化してどうなったか?
さっきのオッサンは、助けを呼ぶ声を聴きつけ、空を飛んで助けに行く。
つまり、人助けに生きる糧を見出した。
まさに、正義のヒーロー
その反面、ヒロはとにかく人を殺す。
その辺で運転してた人とか、その辺の家族とかをとにかく殺す。
人を殺すことに生き甲斐を感じ始めた。
まさに、悪のヒーロー
その2人が、2巻で早速対峙!!
現在は3巻まで出てるが、いまのところここまでの流れが一番面白かった。
絵のタッチがいきなりハードボイルドになったのには困惑したが。
とにかく奥の描く、中学生(今回は高校生)のイカレっぷりを観るのが好き。
3巻の無駄感
と、ここまではとても良かったのだが、3巻の必要性が感じられない。
いきなりヤクザが出てきて、弁当屋の女を攫い、弄んでやろうってとこにオッサンが助けに入るって流れなんだけど、伝えたいことが分からない。
オッサンは銃でバンバン撃たれても絶対死なない不死身のヒーローだよってことを伝えたかったのだろうか?
それは1巻の撲殺されたとこで伝わったと思うんだけどなぁ。
まさか、渋谷とヤクザの怖さを伝えたかったとか!!?
そんなことより、2巻ラストの病院に入って行ったエピソードはどうなったんだよ!!
今後の見どころ
2人の行く末は?
まぁ、何と言っても、オッサンとヒロの再会が楽しみ。
今のところ、オッサンだけが「ヒロと自分は同じだ」と分かっている状態なので、次に出会ったときどうなるのかが一番の見どころだろう。
ミニミニ星人の正体とかも分かればなお良い。
花子
オッサンが飼ってる犬の花子
事故現場には、オッサンとヒロと、そして花子が居た。
花子だけは巻き込まれてないけど、こいつが何か鍵を握っているとしたらビビる。
2巻以降登場してないから多分何もないけど。
タイトルが『いぬやしき』だから変な事考えちゃう。
1冊5分のスピード感
『GANTZ』の頃からそうだったんだけど、今回もセリフが少ない。
ド迫力の大コマ&見開きで魅せてくる。
『GANTZ』で見たような描写もバンバン出てくる。
まぁ、これはこれで良い。
逆に『GANTZ』終盤でいきなり謎のアレが語りだした時みたいに、セリフがめちゃくちゃ増えたら終わりだと思ってる。
自虐ネタ
奥は『GANTZ』がネットで叩かれていることをかなり気にしているようで、作中でもキャラクターにちょいちょいそんな発言をさせている。
今後もそんなセリフが出てきたら相当苛立っているってことだから、その辺を探すのも楽しいかもしれない。
ってことで『いぬやしき』3巻までの点数はこちら
75点!
2巻までなら90点は堅かったのに。残念。
まだ集めやすいんで、気になった方は是非どうぞ。